こんな方向けの記事です

- 人口減少社会。マイホーム購入にどう影響があるか知りたい
- 住宅を買ってはいけないエリアを確認する方法を知りたい
- 土地=資産と安易に考えて家を買うとダメな理由を知りたい
マイホームを買う時、間取りやキッチンなどの設備をしっかり検討する方も多いでしょう。
しかし、本当に大切なのは、将来そのエリアで人が増えるか減るかということなのです。ここでは、人が大きく減ったエリアに家を買った人がどういう末路をたどったか、実話をもとにみていきましょう。
これからの人口減少時代、マイホーム選びには欠かせない考え方です。しっかり理解してください。
この記事を読むメリット

- 人口減少時代、人が逃げ出すエリアの家は売れ残ることが分かる
- 「立地適正化計画」が住宅の資産価値に与えるインパクトが分かる
- 将来を考えて家を買わないと老後の住環境が悪化することが分かる
【結論】人口減少エリアでは、家が売れずに住み替えできないリスクが高い
結論から言えば、人口が減り続けているエリアでマイホームを買うと、家が売れずにそのエリアから動けなくなる可能性があります。
具体的には、以下の通りです。
- 人が集まる都市部と逃げる郊外。売れる家と売れ残る家が明確になった
- 国や自治体も「見捨てるエリア」を選別開始。ますます二極化する時代
- 悲劇…「夢のマイホーム」を買ったら住宅ローンと土地に縛られる人生に
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①人が集まる都市部と逃げる郊外。売れる家と売れ残る家が明確になった
人が増えるエリアの家は値上がり、逃げ出すエリアは値下がり
日本は人口減少が続いていることは誰もが知っているところです。
しかし、人の減り方は全国同じではありません。人口は、便利で就職先も多い都市部へ集まっている傾向にあります。
人が集まるということは、そこに住むためにそのエリアの家を買いたいという人が増えるということです。需要が供給を上回る状況となり、家の価格が上がっていきます。
一方、全体として人口が減少している中で人が集まるエリアができるということは、当然、人が減るエリアもできるということです。
人口流出して人が減っている街では、住宅の買い手が少なくなり価格が下落します。人が増えるエリアの家は値上がり、逃げ出すエリアは値下がりするのです。
つまり、全体として人口が減少する社会では、家が売れるエリアと売れないエリアが明確に分かれていくのです。
【具体例】国道16号線を境に住宅価格の明暗が分かれている
昔の高度成長期のように、全国どこでも人が増える時代であれば、どの家でも価格は上がっていました。
しかし今や人が固まって住む時代、人の集まる都心はより高く、人が減っていく郊外はより安くなっています。どの家でも売れる時代は終わりをつげ、売れる家と売れ残る家が明確に分かれる時代に突入しています。
例えば都道府県単位でみれば、ここ20年くらいは東京都への人口流入が続いており、東京一極集中となっています。

1980年代~1990年代前半では、バブル期もあり東京都の地価が急騰、人口が周辺の県(神奈川県・千葉県・埼玉県)に流出していました。東京都の住宅は高すぎて買えず、周辺地域へ人が大移動していた時期です。
それがバブル崩壊し都心の地価の大幅下落により、1990年代後半(1997年頃)から流入数が流出数を上回る純流入の傾向が続いているのです。郊外住宅へ移動した人が再び東京へ戻ってきたのです。
新型コロナウイルスのまん延により一時的に東京都の人口流出が起こったものの、東京都への人口流入は当面続いていくでしょう。
結果として、東京都の人口が増加を続ける一方、バブル期にできた郊外ニュータウンなどの人口が大きく減っている状況になっています。
実際、関東圏では国道16号線沿いを境に、内側(都心側)のエリアは地価上昇、外側(郊外側)は地下が大きく減少しています。事実として、すでに家の価格に大きな差が生まれているのです。
②国や自治体も「見捨てるエリア」を選別開始。ますます二極化する時代
立地適正化計画でますます人が集まりだす。家が売れないエリアが出る
市区町村ベースでも、人が集まって住む時代になる可能性があります。
それが「立地適正化計画」です。立地適正化計画とは、自治体が効率的な街づくりをしていくための都市計画マスタープランです。
立地適正化計画を一言で言えば、人がまばらに住んでいる現状を見直し、コンパクトな街に作り替えていこうとするものです。
背景の一つには、財政のひっ迫する自治体では、広く分散して居住している住民に、等しく行政サービスを提供することが難しくなっていることがあります。コンパクトな街づくりを行い、固まって住んでもらうことでこれを解決しようとしています。
具体的には、地域の中を「人が住むエリア」「商業施設のエリア」「医療施設のエリア」など効果的な配置となるように誘導して、その拠点間を公共交通ネットワークで結ぼうとするのです。
そのために、立地適正化計画を作成する各市町村が、人を住まわせたい「居住誘導区域」や商業施設などを誘致したい「都市機能誘導区域」などを設定します。
その区域に計画通り人や施設が集まれば、ますます人が集まって住むようになります。つまり、人が集まるエリアができることはその裏で人が減るエリアが生まれるということです。
この立地適正化計画によって、売れるエリアと売れ残るエリアが明確になっていく可能性があるのです。
人を住まわせたい「居住誘導区域」。区域外にある家は価値が下がる
立地適正化計画の中で特に重要なのは、人を住まわせたいエリアとして自治体が「居住誘導区域」を指定することです。
「ここからここまでのエリアに住んで欲しい」と線引きするわけです。
逆に言えば居住誘導区域に外れたエリアは、自治体が「住んで欲しいエリアではない」と暗に示しているということです。
そうすると、居住誘導区域から外れたエリアは、将来人が流出していく可能性があります。老朽化しているインフラの更新(投資)が抑制されたり後回しになることも考えられます。
さらには企業も「居住誘導区域から大きく外れたエリアは採算が取れないから出店は控えよう。既存店は撤退しよう」となりかねません。
特に鉄道路線やバスの統廃合もあり得ます。交通の便が悪化することで、ますます人口減少していく可能性があります。
居住誘導区域外の家は、将来、価値が大幅に下がるリスクを抱えることになり、立地適正化計画は住宅の資産価値に大きな影響を与えうるものということが分かります。
全国の3割超の都市で立地適正化計画に参加。政令指定都市も多い
立地適正化計画はどこまで実現するか不透明なところがあります。
あくまでも、そういった街になるように商業施設などを誘導したいというもので、強制的に街を作り替えられるわけではないからです。
ただ、立地適正化計画に参加している自治体の数は、全国の3割超の都市となっています。この中には政令指定都市お多く含まれており、それだけ危機意識があるといえるでしょう。
具体的には、2020年12月31日時点で559団体が具体的な取り組みを行っており、その中で347都市が立地適正化計画を作成・公表済です(最新状況はこちら)。
これだけの都市が参加することは、全国的に課題意識が共有されているということです。
都市計画が進むスピードは一般的にかなり遅いものですが、今からマイホーム購入する人にとっては、将来の売却時に立地適正化計画が実現している可能性も十分あります。
マイホームを買う前には、各自治体のホームページをチェックし、居住誘導区域が指定されているかどうかを確認しておきましょう。
③悲劇…「夢のマイホーム」を買ったら住宅ローンと土地に縛られる人生に
バラ色の老後が一転、郊外住宅が“負債”に姿を変え「動けない」
人が減っていくエリアで家を買うとどうなるのか。既に悲劇は実際に起きています。
バブル期にできたニュータウンと呼ばれる某郊外住宅街。当時、夢のマイホームと呼ばれた郊外住宅の新築戸建てが6,000万円~7,000万円していました。東京都心から電車で毎日1時間半もかけ通勤していたのが当たり前の時代です。
住宅ローンも払い終え、さあ悠々自適の老後が待ち構えていると思った矢先、想定外の事が起こります。
まず、周辺環境が大きく悪化しました。商業施設の撤退や学校の統廃合、交通の便悪化、病院の閉鎖などかなり不便な住環境になったのです。商業施設が豊富な都心で買い物しようにも、東京都心まで電車で1時間半以上もかかります。
また、ニュータウンの人口も▲30%も減少し、しかも当時は若かった住民も今や過半数が65歳以上です。
子どもが独立し、夫婦二人での生活では一戸建ては広すぎます。庭の管理や階段の上り下り、外出時の施錠、普段の掃除も面倒になりました。
それなら都心の駅近マンションに住み替えようと思っても、今や売却査定してもマイホームの価格が2,000万円にまで落ち込んでいます。住み替えたくても売却資金に乏しく、動きたくても動けません。
結局、長年住宅ローンの支払いに縛られ、支払い終わったら、今度は土地に縛られる結果になったのです。
これは妄想ではありません。多くのメディアで報じられている事実です。人口減少する街にマイホームを買ってしまうと、将来、売るに売れなくなってしまうという実話なのです。
マイホーム=資産は昔の話。優良資産を見極められる不動産屋を選ぶ
昔はどの住宅を買っても値上がりする資産になっていた
今後はますます売れる家と売れない家が分かれる時代となります。
高度成長期には、土地の値段はどんどん上がり、人も増え続け、家の買い手はどこにもいました。
家をどこに買っても、マイホームを所有している間は含み益を生み出し、売却すれば大きな資金を生んでいたのです。
また、売却せずとも、実家を引き継ぐ子供や孫がおり、有効に自宅という資産を活用してくれました。
何も考えなくても、資産価値のある家が手に入っていたのです。
物件の良し悪しを見極められる不動産仲介業者を慎重に選ぶ時代
それが今や空き家問題が社会問題化しているほど、家余りの時代になっています。
昔の人ほど「家(土地)は資産」という感覚がありますが、今の時代にそのままの間隔でマイホームを買ってしまっては悲劇を生んでしまいます。
間取りやキッチンなどの設備を選ぶ前に、そのエリアが将来人を呼び寄せるのか、負債となる家でないかを確認した上で購入検討したいものです。
だからこそ、これからの時代に家を買う時には、将来のことまで考えて「本当に買っていい物件かどうか」を検証する不動産屋(仲介業者)を選ぶことが大切です。
どの物件を買っても良かった時代ではなく、優良物件か不良資産かを見極められる不動産屋を選んで、損をしない家選びをしてください。
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まとめ
人口が増え続ける時代には、多くの家は買い手がつき、住みたいと思ってくれる人がいました。
しかし、全体の人口が減る時代、人が集まるエリアができれば、人がいなくなるエリアができるのは当然のことです。人が減っていくエリアは当然、住宅価格は下がります。
さらに追い打ちをかけるように、財政難に陥る自治体はますます人を集めて住まわせようとしています。さらに売れ残るエリアが明確になるのです。
逆に言えば、住宅購入時にしっかり精査すれば、売れやすいエリアも分かりやすい時代になったといえます。優秀な不動産屋さんを選んで、将来も安心して住める「資産となるマイホーム」を手に入れてください。