こんな方向けの記事です

- 買おうとしてる家が賃貸できるかどうか知りたい
- 賃貸しづらいマイホームの特徴を知りたい
- 自宅を貸した時に適正な家賃収入の額を知りたい
マイホームを購入した後、ずっとその家で住み続けるわけではありません。転勤や介護などいろいろな理由によって引っ越す人は多くいます。
その時に自宅を売るか貸すかできれば、自宅がお金を稼いでくれます。特に貸すことができる家は、将来同じ家に戻ってくることを前提とした一時的な引っ越しにも対応できます。
もし貸せない家を買ってしまうと、引っ越した先の家賃支払いと、住宅ローンの二重払いが発生し、負担がかなり大きくなる場合があります。
購入検討しようとしているマイホームを将来賃貸することを想定した時、どんな家なら買っても大丈夫でしょうか。
ここでは、マイホームが家賃収入をもたらすかを簡単にチェックする方法を、不動産エージェントが分かりやすく解説します。
この記事を読むメリット

- 賃貸しやすい家を3つの指標で判別できる
- 指標の具体的な計算方法や調べ方も分かる
- どれくらいの家賃があれば損しないか分かる
【結論】物件の利便性・借主の数・損益を3つの指標で判断
購入予定のマイホームが家賃を稼げるかのチェック方法は、以下の方程式を満たす家かどうかです。
つまり、最寄駅から近く(賃貸物件の利便性)、利用客数も多く(借主は十分にいるか)、適正な家賃が取れるか(損せず貸せるか)、という3つの視点でみています。
- 最寄駅(または徒歩圏内の駅)の徒歩距離 < 10分(戸建て15分)
- 最寄駅(または徒歩圏内の駅)の乗降客数 > 2万人/日
- 相場賃料×90% > 住宅ローン返済額+管理費・修繕積立金+固定資産税
マイホーム購入を考えている人は、家を買う前にこの式を当てはめてみるといいでしょう。それぞれ詳しく見ていきましょう。
①最寄駅(または徒歩圏内の駅)の徒歩距離 < 10分(戸建て15分)
駅から遠い家は借り手がいない。物件そのものが存在しないものと扱われる
家を貸せるかどうかの最も重要なポイントは駅からの距離です。
賃貸物件を探す時には、多くの人はSUUMOなどの物件情報サイトを使います。その際、駅からの距離で物件を絞って検索することがほとんどです。
マンションであれば徒歩10分以内(800m以内)、戸建てであれば15分以内(1.2㎞以内)が最も検索ボリュームが多い範囲です。
それ以上遠い距離にマイホームを買った場合、賃貸に出すのはかなり難しくなります。
なぜなら、例えば徒歩20分以上のエリアをほとんどの人が検索しないからです。
駅から遠い家は、検索条件を使って絞り込んだ検索結果に出てこない物件となり、存在しないことと同じになります。それほど、駅からの距離は賃貸する場合に重要な指標となります。
もちろん、都心部の好立地であれば10分(戸建て15分)を少し超えても問題ないことはありますが、やはり10分におさえたいところです。
今では10分は遠いという声すらあります。
マンションは徒歩7分以内、戸建ては12分以内と、従来より3分程度駅に近いところでないと貸しにくくなっているエリアもあります。駅距離はしっかりと確認しましょう。
②最寄駅(または徒歩圏内の駅)の乗降客数 > 2万人/日
駅の乗降客数のボリュームが少ない=賃貸物件の借主の数が少ない
駅からの距離がいくら近くても、そもそもその駅を使う人の数が少なすぎては借り手が限られることになります。
最寄駅(または徒歩圏内の駅)を利用する人が多ければ多いほど、潜在的な借主の数が多くなり、貸しやすい家ということになります。
そのエリアに十分な借り手が存在するかどうかをうらなう重要な指標が「乗降客数」(乗り降りする人の数)です。
1日当たりたりの乗降客数が2万人以上あれば、賃貸しやすいエリアと考えてよいでしょう。
購入を検討しているマイホームの最寄り駅(または徒歩圏内の駅)の乗降客数を事前に調べてみることをおすすめします。
各鉄道会社のホームページや、ウィキペディアにも掲載されていますので簡単に調べられます。
③相場賃料×90% > 住宅ローン返済額+管理費・修繕積立金+固定資産税
支出を上回る家賃が取れる物件かどうかを計算して確かめる
家を貸せても、二束三文でしか貸し出せないエリアではうまみがありません。
そのために、費用を上回る家賃収入が取れるかどうか、家を買う前に確認しておきましょう。
適正な家賃収入が得られるかの判別式は「相場家賃×90%>住宅ローン返済額+管理費・修繕積立金+固定資産税」です。
つまり、家賃収入よりも、ローン返済や管理費修繕積立金、固定資産税といった出費が少なく済むかどうかを事前に確認しておくのです。
また、そのエリアの相場家賃が下がった場合を想定して、どれくらいの余裕があるかも推し量ることができます。
尚、より細かい計算をすれば、家賃収入に伴い増加する所得税や住民税も含めて計算すべきですが、その他の所得によって税額は変動しますので、大まかに損益を把握するにはこれでよいでしょう。
以下、各項目の注意点です。
相場賃料:調べ方と注意点(×90%の意味)
賃料相場は、SUUMOやat-homeなどの物件情報サイトを利用して大まかな価格を掴むのが最も簡単です。
ただし、その多くは成約賃料ではなく、それより高値の希望貸出賃料(貸主がこの価格で貸したいと募集をかける賃料)であることにご注意ください。
実際に成約した賃料は、不動産会社だけが使えるデータベース「REINS」に蓄積されているので、正確に知りたい場合には不動産仲介業者に聞きましょう。
また、一時的な転勤など、将来は自宅に戻ってくる予定の場合、入居者に居座り続けられても困ります。
そのような場合には、契約更新のない「定期借家契約」として貸し出すことが一般的です。そうしないと、普通借家契約となり、原則として入居者が「更新したい」といえば拒むことができなくなります。
そして、定期借家契約とした場合、入居者に不利な契約ですから、一般的に普通借家よりも家賃は下がります。
上記のような事情があるため「×90%」を乗じて補正しています。つまり、以下のようなバッファを含める意味で相場賃料から▲10%減少させています(安全側で考えています)。
- 相場賃料(貸出希望賃料)は成約賃料より高めであること
- 定期借家の場合には家賃が相場の▲5%程度下がること
- 自宅の設備劣化やエリアの人口減少、競合物件の出現など
住宅ローン返済額:借りる金額から計算。金利上昇に注意
実際に借りる金額が分かれば、すぐに計算できます。
インターネットのシミュレーションサイトを利用しても構いませんし、不動産仲介業者の担当者に聞いても教えてくれます。
ただし、変動金利の場合には、将来の金利上昇に伴い返済金利の額は増額される可能性があることに注意しましょう。
管理費・修繕積立金:マンションは物件資料に記載。戸建ては概算
マンションの場合は、物件資料に必ず書いてある項目です。
戸建ての場合には、広さや設備の劣化具合、築何年かなどによって大きく変わります。
ざっくり考える場合には、外壁・屋根の塗装、主要設備や給排水管入替、その他補修などをみて「月額2~2.5万円」とみておきましょう。
固定資産税:中古住宅なら不動産仲介業者が教えてくれる
中古住宅であれば、不動産会社に聞けば固定資産税・都市計画税の金額がわかります。
新築住宅であれば正確な数値は分からないことがありますが、だいたいの相場は不動産屋さんに聞くことで把握できるでしょう。
尚、都市部では固定資産税とあわせて都市計画税も課されるエリアが多いです。その場合には都市計画税も含めて計算しましょう。
③の判別式は参考程度に。もとから貸しにくいエリアもある
③の判別式「相場賃料×90% > 住宅ローン返済額+管理費・修繕積立金+固定資産税」が赤字となる場合、以下のように要因分析ができます。
- 物件価格が高すぎる(住宅ローン返済額が高い)
- 管理費・修繕積立金が高すぎる
- あまり賃貸が盛んでない地域で相場家賃が低いエリア
それによって、買ってもいい物件かどうか、交渉の余地がないかなどを検討できます。
ただ、この方程式③はあくまで簡単な収支計算であり、あまりこだわり過ぎないようにも注意してください。示した数値も、特に都市部をイメージしたものであくまでも参考値です。
そもそも、「売りやすさ」と「貸しやすさ」は異なり、売りやすいけど貸しにくいエリアも存在します。貸しにくい物件だからといって、それが悪い物件とは限らないのです。
なにより重要なのは①・②の方であり、(収益は度外視して)貸せることの方が大事です。
相場賃料よりも支出が多く赤字となる場合でも、貸し出しさえすれば、少しでも住宅ローン返済の足しになります。空室にしておくより人に住んでもらう方が、一般的に建物の劣化スピードも抑えられます。
利益を必ず出せなければいけないわけではなく、少々の赤字となっても「貸せる家」であることがなにより大事なのです。
まとめ
マイホームを買う前に、その家を実際に貸し出せるかどうかを確認することはとても大切です。
将来の一時的な引っ越しの資金的な負担がかなり楽になりますし、いつでも引っ越せるという心理的な解放感も得られます。
そのためにも、ここでご紹介した3つの指標は事前にチェックしてみてください。一つ一つを確認することで、購入検討物件の理解が深まり、新たな発見もあるでしょう。
将来貸すことや売ることまで考えて家を買う。資産性をしっかりチェックして、資産性のあるマイホームを手に入れましょう。